中国子会社から日本への送金手続きと課税関係まとめ

2021年8月18日に一部内容を更新しました。

 

中国子会社から日本の会社への送金について、各送金名目ごとに手続きと課税関係をまとめました。

  貨物貿易取引(物品輸入) サービスフィー(役務対価) 販売コミッション 技術ロイヤリティ 商標・特許ロイヤリティ 出向者給与立替金 経費立替金  配当金 支払利息
手続き(5万USD超)
※1
送金 契約締結後30日以内に登記
→ 税務申告・納税
→ 税務届出 → 送金 
契約締結後30日以内に登記
→ 税務申告・納税
→ 税務届出 → 送金
税務申告・納税
→ 税務届出 → 送金
税務申告・納税
→ 税務届出 → 送金
税務届出 → 送金

送金

董事会・株主会決議→ 税務申告・納税
→ 税務届出 → 送金
税務申告・納税
→ 税務届出 → 送金
手続き(5万USD以下) 税務申告・納税 → 送金 税務申告・納税 → 送金 税務申告・納税 → 送金 税務申告・納税 → 送金 送金 送金 董事会・株主会決議
→ 税務申告・納税→ 送金
税務申告・納税 → 送金
中国課税(PEなし)  ・消費税もしくは
 増値税9%or13%
・関税

増値税6~13%もしくは免税
※2

増値税6%もしくは免税
※3
・企業所得税10%
・増値税6%
(技術譲渡は増値税ゼロ)
・企業所得税10%
・増値税6%
 非課税
※4
 非課税 企業所得税10%  ・企業所得税10%
・増値税6%
中国課税(PEあり)

・PEに実質的に関連する所得は事業所得として、15~50%の推定利益に対し25%の企業所得税課税

・増値税6~13%

・PEに関連する出張者は中国滞在期間の個人所得税課税(短期滞在者免税適用不可)

日本課税        外国税額控除(10%) 外国税額控除(20%)
(日中租税条約によるみなし税額控除)
     受取配当金の益金不算入 外国税額控除(10%)

 

※1 物品輸入以外で5万USD超の対外送金は原則地域所管の税務局において対外支払いの届出をし、送金時に届出表を銀行に提出する必要があります。日本の会社で立替払いした経費については、中国子会社に対して発生した旅費、会議費、商品展示費など一部の項目に限り、税務届出が不要とされています。
工事請負契約やサービス契約については契約締結後30日以内に税務局にて契約書の届出が必要です。

※2 完全に国外で消費される一部のサービスに対して増値税免税が適用されます。

※3 本社に支払う販売コミッションについては、本来サービスフィーに含まれるので企業所得税は非課税ですが、ロイヤリティの一種とみなされるリスクも高いといえます。日本から出張者が来て中国内にて営業活動をしている場合はPEと認定され課税される可能性もあります。

※4 本社で立替払いした出向者給与を送金する場合、本来サービスフィーに該当しないため企業所得税は生じませんが、対外支払いの届出時にPE課税の問題に発展しやすいため、注意が必要です。

(中国でのPE課税についてはこちら

 

その他、本来は2013年9月1日から税務局での納税判定の上で納税証明を取得するプロセスが廃止されましたが、送金内容に関する課税関係の把握のため、地域によっては実務上いまだに届出の前に納税判定が求められるケースや届出が実質的な審査として機能しているケースも見受けられます。その結果本来の課税原則から離れて不当な課税が生じることがあるため、課税根拠やプロセスについて正確に理解しておくことが必要です。

 

 

参考規定:『国家税務総局・国家外貨管理局によるサービス貿易等項目の対外支払税務届出の関連問題に関する公告』(2013年9月1日実施)、「新企業所得税法」、日中租税条約、「非居住企業所得税源泉徴収管理暫定弁法」(国税発[2009]3号)、増値税暫定条例、「営改増試験実施弁法」(財税[2016]36号)、「増値税税率の簡素化・統合に関する通知」(財税[2017]37号)、「サービス貿易外貨管理ガイドライン実施細則」(匯発[2013]第30号)、「貨物貿易外貨管理制度改革の公告」 (国家外貨管理局公告2012年第1号)、「貨物貿易外貨管理法規に関する問題の通知」 (匯発[2012]38号)、「非居住者企業所得税源泉徴収に関連する問題についての公告」(国家税務総局公告[2017]37号)、「サービス貿易等項目の対外支払の税務届出の関連問題に関する補足公告」(国家税務総局国家外貨管理局公告[2021]19号)

 

 

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