中国就労ビザ取得の手続きとは?赴任者も知っておきたい中国赴任時の流れを解説!

 

2023年1月29日に一時的に停止されていた日本人に対する中国一般ビザの発給が再開しました。
また、1月8日からは中国における新型コロナウイルスの管理区分変更に伴い、入国時の強制隔離措置も撤廃されています。
 
2023年2月2日追記:2023年2月2日より観光ビザや日本国民に対する短期滞在(15日以内)のビザ免除措置が一時停止されています。なお、APECカードは引き続き有効です。)
 
以下では中国への赴任に際してどのような手続きが必要となるかについて、赴任者の視点から最低限把握しておきたい一連の流れを簡潔にまとめました。
 
まず全体の大まかな流れとしては以下のようになります。
 
渡航前
①書類準備と現地受入れ企業による就労許可の事前申請
②事前申請の通知を持って、日本で就労ビザ(Zビザ)を取る
 
渡航後
③臨時宿泊登記と健康診断
④就労証の申請、居留許可証の申請
 
 
それぞれのプロセスについて、必要となる書類や手続きを解説します。
 

①書類準備と現地受入れ企業による就労許可の事前申請

中国で就労するには、一般的にZビザと呼ばれる就労ビザの取得が必要となりますが、その際現地の受入れ企業が管轄政府部門で「工作許可通知」と呼ばれる事前許可を申請し、取得する必要があります。
 
また、その際の許可にはA~Cのランクが分かれており、通常はAランクもしくはBランクで申請することとなりますが、どちらで申請するかにより用意する書類が異なるので赴任が決まったら予め確認しておくといいと思います。
 
この時点で提出が必要となる書類は以下の通りです。
 
本人が用意するもの
  • 顔写真の電子ファイル
  • パスポートのコピー
  • 外国人体格検査記録:中国大使館HPからダウンロードした指定様式に記載された健康診断結果。中国渡航後に取得する場合は省略可。
  • 犯罪経歴証明書:住民票の所在する警察本部で取得の上、外務省による公印確認、中国大使館・領事館による領事認証が必要。Aランクの場合不要。
  • 学位証明:学位を取得した学校から発行してもらい、外務省による公印確認、中国大使館・領事館による領事認証が必要。Aランクの場合不要。
 
会社が用意するもの
  • 職務証明書:赴任前に所属する会社が発行した職務経験を証明する書類
  • 雇用契約書:現地受入れ企業と締結したもの
 
上記を現地受入れ企業に提出の上、「工作許可通知」の申請から取得まではAランク、Bランクでそれぞれ10営業日、15営業日程度かかります。
 

②事前申請の通知を持って、日本で就労ビザ(Zビザ)を取る

「工作許可通知」が現地で取れると、続いて「工作許可通知」発行から3カ月以内に日本でのZビザ申請手続きとなります。
Zビザはオンラインで必要事項を記入し、提出日時を予約の上、各地のビザセンターにて書類を提出します。
本コラム執筆時点でZビザの申請には新型ワクチン2回接種証明書が必要とされています。
東京と大阪のビザセンターでは発給まで普通申請で4営業日、特急申請で2営業日、名古屋では普通申請のみで6営業日かかります。
 
Zビザの有効期限は発給から3カ月となりますので、その間に中国に渡航が必要です。
 
なお、後述する居留許可を指して「中国ビザ」と表現されることが間々ありますが、ここでのZビザは厳密には居留を許可するものではなく、あくまで就労を目的に入国するためのビザのことです。
 
上記の渡航前①及び②の手続きはランクによる一部書類の有無によっても異なりますが、通常1~2カ月ほどかかるプロセスとなります。
 

③臨時宿泊登記と健康診断

中国に入国後、ホテル以外の施設に宿泊する場合には入居開始から24時間以内にパスポート原本・賃貸契約書をもって地域の管轄公安機関にて「臨時宿泊登記(境外人員臨時住宿登記)」を行う必要があります。
ホテルに宿泊する場合は、チェックインの際にフロントデスクが手続きを代理します。
 
健康診断は指定機関をオンライン予約の上、受診が必要です。
渡航前に日本で受診している場合は大半の検査項目は省略可能で、かつ証明書も翌日には受け取れますので、可能な限り日本で受診されることをお勧めします。
 
 

④就労証の申請、居留許可証の申請

健康診断結果(外国人体格検査記録)を受け取ると、通常はまず就労証の申請、続いて入国日から30日以内に居留許可証の申請を行います。
 
就労証についてはパスポートの窓口提示が必要となりますが、本人が窓口に出向く必要はありません。オンライン予備審査、窓口審査で計10営業日程度で就労証が発行されます。
 
居留許可証の申請は本人が窓口に行って手続きを行います。その際許可証はパスポートに直接貼り付けられますので、発行までの約7営業日程度パスポートを預ける必要があります。
 
なお、最近は入国後の一時的なホテル滞在の状態で居留許可証を申請すると、長期の賃貸契約書を要求されるケースがあります。そのため、賃貸契約を締結して住居が定まってから申請する方が無難だと言えます。
 
 
 
 
 
 

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