香港法人 清算・登記抹消の手続きまとめ
香港で法人を閉鎖するには以下の二つの方法があります。
・任意清算
・登記抹消
任意清算と比べて登記抹消の方が簡便であるため、登記抹消を選択することが一般的です。
そのため、ここでは登記抹消手続きについて紹介いたします。
登記抹消の要件
①全ての株主が同意していること。
②事業を開始していないか、もしくは営業活動を休止してから3ヶ月超が経過していること。
③未払いの税金や登記費用、罰金を含む負債がないこと。
④いかなる訴訟にも関与していないこと。
⑤香港において不動産を保有していないこと。
⑥税務局から異議の申し立てがない(「Notice of no objection」を取得している)こと。
⑦全ての年次報告書が適切に提出されていること。
手続きの流れ
- 株主総会による決議(約1か月)
- 税務申告及び会計監査(1~2週間)
- 税務局への申請(1~2か月)
- 「Notice of no objection」の取得
- 登記処への申請(約1か月)
- 広告(約3か月)
- 登記抹消完了
※登記処は税務局からの通知がないと登記の抹消を認めませんので、手続きにおいて最大の難関は税務局からすんなりと抹消を認めてもらえるかといった点です。
課税漏れがあると判断される場合には当然認められることはなく、場合のよっては税務調査に発展することもあります。
一方、事業を開始してなかったり、ほとんど営業活動がないような場合には、会計監査を受けないでも抹消を認めるような場合もあり、この点はいかに状況を説明するかといった面での交渉の余地があります。
留意点
なお、登記を抹消する上での留意点は以下の通りです。
①登記抹消以降20年間は、株主、取締役等の債務、責任が存続します。
②登記抹消時点での会社の保有資産は全て香港特別行政区に帰属します。