会社秘書役って?カンパニーセクレタリーの役割とは
日本の会社では秘書はいても法的に定められた会社秘書役という名前の機関はありませんが、香港では全ての法人が会社秘書役(カンパニーセクレタリー)を任命し、登記することが求められます。
現在香港の公認秘書役協会(HKICS)には4200人のフルメンバーと2700人のステューデントメンバーが登録されています。
会社秘書役の役割・業務
会社秘書役の業務は日本で言うところの司法書士と行政書士を組み合わせたようなイメージです。
法人を運営する過程で、株主や取締役の情報を管理する法定台帳の保管や更新、取締役会や株主総会の開催や議事録の作成、年次報告書の提出や各種登記情報の更新など色々なコンプライアンス上の要求がありますが、会社秘書役はこれらの業務を遂行する義務を負っており、また会社の取締役や株主に適切な助言を行ったり、時にはコンプライアンスやガバナンスの観点から異議を唱えたりすることで会社のコンプライアンス水準を一定以上に保つ役割を担っています。
そのため、香港の会社法や行政ルールについて経営者以上に精通している必要があります。
会社秘書役の要件
会社秘書役には「18歳以上の香港在住の個人」か「香港で登記されている法人」であれば特に専門の資格が必要になるということはありません。
ただし上記のような役割から、一定規模の会社であれば社内の専門的な知識を持っている人を任命し、小規模の会社であれば社外の弁護士事務所や会計事務所といった法人に業務自体をアウトソースすることが一般的です。