中国 税務登記抹消手続き簡素化の実態は?

 

10月1日より企業の清算時の税務登記抹消手続きの簡素化に関する規定が施行されています。
 
清算時の税務登記抹消手続きは日系企業の中国撤退の際大きな難関となるプロセスですが、この規定によると一定の要件に該当すれば抹消時に必要書類が揃っていなくても税務清算証明を取得できるという、極端なプロセスの短期化が図られています。
 
 
 
これについて上記リンクでは実務上はそう簡単に簡素化されると思えないと書きましたが、先日上海市のとある区の税務所長と意見交換をしていたところ実態としてもかなり迅速に税務清算証明が発行されるようになっているとのことでした。
 
その実態にはある事件が関係しており、とある中国人が税務登記抹消に関して上海市崇明区長興島の税務局との悲痛なやり取りを克明に記した記事を9月頃Web上にアップし、それがWeiboで税務局の登記抹消手続きへの批判として拡散され、当局も対応せざるを得なくなったという真相のようです。
 
そのおかげで、今は書類に不足がある状態でも税務登記の抹消ができたりするため会社を清算するなら今がチャンスだとのことでしたが、きちんと書類や企業の申告状況を精査せず、窓口担当者の判断で手続きを進めてしまう状況は後日問題が発覚することも多く、現状の短縮プロセスは早晩もう少し正常に見直されるというのが当所長の見解でした。
 
 
 
 
 

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