対中再投資の源泉税繰延対象が非禁止項目に拡大

 

 

 

2017年1月1日より、国外投資家が中国居住者企業からの利益配当を以て行う中国国内の奨励類項目への再投資について、条件に合致する場合に企業所得税の源泉課税を繰り延べる措置が執行されています。
 
 
 
これに対し、下記の通達が2018年9月29日に新しく公布され、再投資の対象がこれまでの奨励類項目から全ての非禁止項目へと拡大されました。
 
「国外投資者の配当利益の直接投資に対して源泉徴収税を暫定的に徴収しない政策の適用範囲拡大に関する通知」(財税[2018]102号)
 
 
投資対象の項目が大幅に拡大されたことにより、より多くの外資系企業にとって、中国での新規事業への投資や既存の赤字子会社の運営資金、清算原資を賄うための増資などについて、既存の中国内子会社の利益剰余金をより有効に活用することが可能となります。
 
投資対象の拡大とそれに関連する条文以外は、すべて旧規定の内容を踏襲したものとなっており、適用条件も引き続き下記の3点をすべて満たしている必要があります。
 
①国外投資者が配当利益で以下のいずれかの投資を行うこと。
  1. 中国国内企業の資本金または資本剰余金に対する増資
  2. 中国国内において会社の新規設立
  3. 中国国内において非関連企業の持分買収
  4. 財政部、税務総局の規定するその他の方式
②国外投資者の得た配当利益が、中国国内企業のすでに実現した留保利益によって形成された配当、利益分配等の持分性投資収益に該当すること。
 
③国外投資者による配当利益の再投資は、直接現金、現物、有価証券等を投資先企業の口座に振り込むかもしくは所有権を移転すること。つまり別の口座を経由して間接的に出資したり、一時的にその他の企業や個人が所有権を保有することはできない。
 
 
2018年1月1日に遡って適用され、3年以内であれば事後申請により還付が認められます。
 
 
 
 
参考規定:「外資誘致を促進するための若干の措置に関する通知」(国発[2017]39号)、「国外投資者の配当利益直接投資にかかる源泉所得税を暫定的に徴収しない政策の関連執行問題に関する公告」(国税発[2018]3号)、「国外投資者の配当利益の直接投資に対して源泉徴収税を暫定的に徴収しない政策の適用範囲拡大に関する通知」(財税[2018]102号)
 
 
 
 
 
 

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