中国 ハイテク企業認定の優遇措置、概要と税務調査のポイントを解説!

 

中国では色々な税制上の優遇規定が設けられています。
ここでは、その内の一つとして技術を有する多くの企業によって適用されているハイテク企業認定についてご紹介します。
 

1.ハイテク企業認定とは?

中国でハイテク企業として認定された場合、15%の軽減税率(通常は25%)を適用することができます。
 
 

2.認定条件

①企業が自主研究開発、譲受、受贈、合併買収等の方式により、主要製品(サービス) に対して技術面で重要な効果を発揮する知的財産権の所有権を獲得していること 
 
② 企業の主要製品(サービス)に対してコアとなる効果を発揮する技術が「国が重点的に支援するハイテク分野」の規定する範囲に属していること 
 
「国が重点的 に支援するハイテク分野」とは、電子情報技術、生物及び新医薬技術、航空宇宙技術、新材料技術、ハイテクサービス業、新エネルギー及び省エネルギー技術、資源及び環境技術、ハイテク改造伝統産業。
 
③ 企業の直近 3 会計年度の研究開発費用の売上高に占める割合が次の比率を下回らないこと
 
直近 1 年間の企業の売上高 比率
5,000万元以下 5%
5,000 万元超 2 億元以下 4%
2億元超 3%

このうち、企業の中国国内で発生した研究開発費用の総額がすべての研究開発費用の総額に占める割合が60パーセントを下回らないこと。 

 
④ 直近1年間のハイテク製品(サービス)収入が当年度総収入の60%以上を占めること 
 
⑤ 研究開発および関連の技術革新活動に従事する科学技術者が企業の当該年度従業員総数の10パーセント以上を占めること 
 
⑥ 企業の革新能力の評価が関連する要求水準に達していること
 
⑦ 企業で認定申請する前の1年間に、安全、品質管理の重大事故あるいは重大な環境にかかわる違法行為が発生していないこと 
 
 

3.認定プロセス

  • Step1 自己評価:認定条件・該当分野等について自己評価
  • Step2 オンライン申請 :各地域のハイテク企業認定管理機構のホームページ上で申請資料を提出
  • Step3 専門家審査 :認定機構の専門家チームにより申請内容について審査 
  • Step4 審査認定 :認定機構による総合審査
  • Step5 情報開示 :ホームページ上で10日間の情報開示
  • Step6 審査結果の公告 :異議申立てが無かった場合、認定管理機構より「ハイテク企業証明書」を発行
 
 

4.有効期間

証書発行から3年間。企業は期間満了3ヶ月前までに再審査の申請をする必要があります。
 
 

5.税務上のポイント

2015年に「ハイテク企業認定管理弁法」が改正されたことにより、認定条件が緩和、また認定手続が簡素化され規定上は認定を取得しやすくなりました。
 
一方で、地方政府にとっては管轄地域でのハイテク企業認定数が業績指標でもあったため、以前から地域によっては実務上の認定基準がかなり甘く、認定基準を満たしていないにも関わらず認定を取得しているケースも多く見られました。
 
そのため、最近では規定上は条件が緩和されたものの、実務上はより厳格に判断されるケースが増えており、過去の認定を遡って否認され、過年度の申告を更正されるケースも増加しています。
 
特に以下のような指摘がある場合には、過去に遡って認定が取り消されてしまいますので、注意が必要です。
 
  • 核心的な知的財産権を保有していない
→実務的には企業のハイテク製品(サービス)に含まれる技術と保有する知的財産権との間で乖離が生じていることもしばしば起こりますが、その関連性を指摘されることがあります。
 
  • 研究開発費用の売上高に占める割合が適用基準を満たしていない
→表面的に研究開発費用の割合が適用基準を満たしていても、ハイテク人材の人件費、直接投資、減価償却費、設計費用、設備試運転などの項目の内訳において、一つ一つが研究開発業務と言えるかが議論になります。
特に委託研究開発費や受託開発費の項目を研究開発費用に含めている場合は、その一部或いは全額を否認される可能性があります。
 
  • 海外の本社、関連会社に対して多額のロイヤルティを支払っている
→海外の本社、関連会社に対して多額のロイヤルティーを支払っている場合は自社でコアとなる知的財産権を保有していないとみなされることがあります。
 
  • その他、ハイテク製品(サービス)収入の当年度総収入に占める割合が適用基準を満たしていない、環境保護部による処罰を受けている、など
 
ハイテク認定企業への税務調査は国税局のみならず科学技術部も共同で調査にあたることもあるため、上記のような指摘に対して交渉に臨むためには会社側のご担当者におかれても技術的な知識が不可欠となります。
そのため、財務部のみならず技術部門と連携しながら交渉を進める必要があります。
 
 
 
 
参考規定:「ハイテク企業認定管理弁法」(国科発火「2016」32号)、「ハイテク企業認定管理作業ガイドライン」(国科発火「2016」195号)、国家税務総局公告「2017」24号、企業所得税法
 
 
 
 

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