上海市の地域統括本部認定条件が緩和!

 

8月13日に下記の規定が公布され、上海市における地域統括本部認定の要件が緩和されました。
 
-「多国籍企業地域本部の発展促進に関する若干意見」(滬府規[2019]30号)
 
2002年に地域統括本部に関する政策開始以降、本年7月末までに上海市では696社の地域統括本部(その内104社はアジア全体もしくはそれ以上の広範囲に亘る統括本部)、450社の研究開発センターが設立されており、上海市は中国全土において最も地域統括本部、研究開発センターの設置が多い都市となっています。
2018年の外商投資企業における年度報告のデータによると、地域統括本部認定企業は全外資企業のわずか1.34%の企業数にも関わらず、営業収入では約10%、利益では約17%、納税額では約12%、就労人員数では6%超を占めています。
 
こうした上海市全体への貢献度の大きさに鑑み、更に地域統括本部の誘致を促進するために認定条件の緩和、新規投資の利便性向上、資金活用の自由度向上が図られています。
 
本規定の主要な内容は下記の通りです。
 
認定条件の緩和
 
・地域統括本部の認定に関して、これまでは親会社の資産総額がサービス業以外の場合は4億USD以上、サービス業の場合は3億USD以上とされていましたが、本規定により2億USD以上に緩和されました。また、地域統括本部の下位機構とされる多国籍企業の本部型機構の認定基準において、親会社の資産総額は2億USD以上とされていましたが、本規定において1億USD以上に緩和されました。
 
・地域統括本部の認定に関して、これまでは親会社の中国における払込済の累計登録資本額が1,000万USD以上で、かつ親会社の授権により管理する中国国内外の企業が3社以上であること、もしくは親会社の授権により管理する中国国内外の企業が6社以上であることが条件でしたが、これが撤廃されました。また、多国籍企業の本部型機構の認定において、中国における2社以上の外商投資企業に対し投資していること、とする条件が撤廃されました。
 
・地域統括本部及び多国籍企業の本部型機構は、外商投資企業であるとする条件が撤廃されました。
 
 
新規投資の利便性、資金活用の自由度向上
 
・地域統括本部及び多国籍企業の本部型機構によるグループ内再編の利便性向上のための措置。
・地域統括本部及び多国籍企業の本部型機構による国内外資金管理の利便性向上のための措置。
・地域統括本部及び多国籍企業の本部型機構による国内外関連企業の経常項目における未収・未払金の集中管理及び純額での決裁。
・地域統括本部及び多国籍企業の本部型機構の外国籍従業員の国内証券市場への投資奨励。
・地域統括本部及び多国籍企業の本部型機構のFT口座内の理財商品の拡充などによる投資機能の強化。
・地域統括本部及び多国籍企業の本部型機構に対する知的財産保護サービスの提供。
・外国籍従業員のための医療機関の誘致や多様な医療サービスの提供、外国人学校の誘致、規模拡大の奨励など。
 
 
 
新規定は2019年9月1日施行、2024年8月31日まで有効となります。

 

 

 

 

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